クド「わふー! みゆきさん今お昼ですかー?」
みゆき「あら、クドさん。ええ、そうですよ」
クド「私も今からなのですー。ご一緒してよろしーですか?」
みゆき「ええ、どうぞ」
クド「わふー!」
みゆき「ふふ、クドさんは何だか、子犬みたいですね」
クド「子犬さんですか? あの、そんなに私、子犬っぽいでしょーか?」
みゆき「あ・・・、気に障りました?」
クド「いえー。よく言われるので気になったのです」
みゆき「なるほど。そうですね、元気よくあちこち走り回ってるところは、本当に子犬みたいに可愛らしいですよ?」
クド「わふー・・・、ちょっと照れてしまいます・・・」
みゆき「クドさんは何にされます?」
クド「あ、今日はおろしそばを食べようと思ってましたっ」
みゆき「では、一緒に頼んでしまいますね」

佳奈多「あら、クドリャフカに古式さん。二人も今から?」

クド「あ、佳奈多さんですー」
みゆき「こんにちは。佳奈多さんも今からお昼ですか?」
佳奈多「ええ。ちょっと寮会の仕事立て込んだものだから」
みゆき「よかったら、一緒にどうでしょう?」
佳奈多「そうね、お邪魔するわ」
クド「あ、佳奈多さん、佳奈多さん」
佳奈多「何?」
クド「私、よく子犬っぽいと言われるのですが、佳奈多さんもそう思います?」
佳奈多「何をいまさら」
クド「即答されました!?」
みゆき「もはや子犬で公認なんですね、クドさんは・・・」
佳奈多「そうね。全校生徒に聞いてもクドリャフカは子犬って答えると思うわ」
クド「それはそれで何だか複雑です・・・。あ、それでは」
佳奈多「何よ」
クド「せっかくなので、皆さんを動物さんに例えてみますっ。えっと、まずはみゆきさん!」
みゆき「私ですか?」
クド「みゆきさんは・・・、かっこよくて、綺麗なので、銀狐さん!」
みゆき「銀狐、ですか?」
佳奈多「確かに、格好よくて綺麗ではあるわね。でも、鋭いイメージが古式さんにあるかしら?」
クド「がーん、違う気がしてきました・・・」
みゆき「まぁまぁ・・・、そんなに落ち込まずに」
佳奈多「そうね、古式さんは燕ではないかしら」
みゆき「燕、ですか?」
佳奈多「なんとなくだけどね」
クド「あ、何だかそんな感じがしてきましたー」
みゆき「そう、でしょうか・・・?」
佳奈多「具体的に言うと、一人の男に尽くそうとする辺り」
みゆき「か、かかか、佳奈多さん!?」
佳奈多「冗談よ」
みゆき「・・・そういう佳奈多さんは、カンガルーですね」
クド「カンガルーさんですか?」
佳奈多「ふーん・・・、どの辺りがかしら?」
みゆき「娘さんを抱きかかえて、過保護にしていらっしゃるあたりとかどうでしょう?」
クド「な、なぜ私が見られるのでしょう?」
佳奈多「・・・やぶ蛇だったようね」
みゆき「ふふ、癖があるのはお互い様です」
佳奈多「全く」
クド「な、何だかよくわからないのですがー・・・」
佳奈多「いいのよ、別に。ついでだから、他の人たちも考えましょうか」
クド「わふー! 鈴さんは間違いなく猫さんなのです!」
みゆき「それは確かに」
佳奈多「それも全校公認クラスね」
みゆき「ちょっと気難しい三毛猫のイメージですね」
クド「あ、そんな感じですねー」
佳奈多「その親友の小毬さんも、どちらかといえば猫かしら」
みゆき「甘え上手な白猫、でしょうか」
クド「お二人とも例えが上手です・・・」
佳奈多「そうでもないわよ。ほら、それじゃクドリャフカ、葉留佳はどうかしら?」
クド「葉留佳さんですか? 葉留佳さんはー・・・、雉さんです!」
みゆき「キジ、ですか?」
クド「はい! 雉さんは日本の国鳥として有名ですが、その分さまざまなえぴそーどがあるのです。いっつあえくすとらえぴそーど!」
佳奈多「・・・余分なエピソード?」
クド「がーん! 間違えてました!?」
みゆき「various episodes、ですね」
クド「ば、ばりうす、えぴそーど、なのです!」
佳奈多「はいはい。で、どんな話?」
クド「えっとですね、まずよく狙われるのです!」
みゆき「・・・確かに、葉留佳さんよく風紀委員に狙われてますね」
佳奈多「自業自得だけどね」
クド「あとあと、頭隠して尻隠さず、の由来の鳥さんだったりします!」
みゆき「うっかり屋、ですか。それもどこか通じるものが・・・」
佳奈多「・・・大丈夫なの? 日本の国鳥」
クド「それでですね、飛ぶのは実は苦手ですが、走るのが速いのです!」
佳奈多「・・・鳥で本分の飛ぶのが苦手・・・。学生の身で本分の勉強が苦手・・・」
みゆき「・・・ついでに言うと、国鳥ならそれなりに有名ですね」
佳奈多「葉留佳もかなり有名ね。悪名が」
クド「・・・って何だか悪いことばっかり言ってる気がします!?」
佳奈多「いえ、ぴったりすぎて驚いたわ」
みゆき「本人には聞かせられませんけどね」

美魚「ところが、ここに聞いている人がいます」

佳奈多「っ!?」
クド「わふ!?」
みゆき「び、びっくりさせないでください・・・」
美魚「いえ、面白そうなお話でしたので、つい」
佳奈多「お願い、つい、で背後に立たないで」
美魚「気配を消すのは得意技です。ちょっと不本意ですが」
佳奈多「全くもう」
美魚「ちなみに、私は白鳥ですね」
みゆき「そう、なのですか?」
美魚「そういうことにして置いてください。少し、譲れないところですから」
佳奈多「まぁ、本人がそこまで言う以上はこれ以上言わないでおきましょう。それじゃ、宮沢とかどうかしら?」
みゆき「宮沢さん、ですか?」
クド「ライオンさんです!」
美魚「百獣の王と言われるライオンですが、自分で獲物を仕留められる事はそう多くはなく、他の動物が仕留めた獲物を横取りする、以外とヘタレな動物です」
クド「・・・・・・わ、わふ」
佳奈多「まぁ、宮沢も意外とヘタレてるとこあるしね」
みゆき「・・・・・・否定してあげたいところなのですが」
美魚「意外ですね。何が何でも否定すると思っていました」
みゆき「これでも宮沢さんとは付き合い長いですから。あの人の欠点も多少は知ってます」
美魚「それでも好き、と。愛ですね」
佳奈多「だとすると余計に宮沢がヘタレてくるわね。大体、この前あれだけのこと言ってるのに未だに苗字呼びってどうなのかしら」
みゆき「そ、そこが宮沢さんらしいところですから・・・」
クド「何だか宮沢さんが盛大に扱き下ろされてます・・・」

佐々美「何ですの? そんなに集まって」

クド「わふっ、佐々美さんのお出ましです!」
佳奈多「見てのとおり、昼の談笑」
みゆき「そんな感じです」
美魚「今は宮沢さんヘタレ説の検証中でした」
佐々美「・・・あ、あなたたち、よく古式さんの前でそんな話を」
みゆき「すいません、私も実は認めるところだったりします・・・」
佐々美「な、何ですってー!?」
美魚「幻想に惚れた人と現実に惚れた人の差、でしょうか」
佐々美「うぐ、耳に痛いところを突きますわね」
クド「あのあのー、ほんとは、宮沢さんを動物に例えるとなんだろー、というお話だったのです」
佐々美「なるほど。それでどうなったのです?」
クド「ライオンさんと言ったら、ライオンさんは意外とヘタレな動物だ、となりましてー・・・」
佳奈多「なら余計にぴったりじゃない、と」
佐々美「・・・・・・宮沢様・・・、少々不憫ですわ」
美魚「せっかく来られたのですから、笹瀬川さんはどうでしょう?」
佐々美「え、わたくしですか!?」
クド「猫さんです!」
みゆき「黒猫、でしょうか?」
佳奈多「黒猫ね」
美魚「さすがですね、私も同意です」
佐々美「な、何であなた達そのこと知ってますの!?」
佳奈多「は?」
佐々美「い、いえ何でもありませんわ、おほほ・・・」
クド「わふ?」
美魚「では、そうですね、恭介さんはどうでしょう?」
佳奈多「難しいわね」
みゆき「そうですね・・・」
佐々美「あの人を動物に例えると、ですか」
クド「はい!」
美魚「はい、能美さん、どうぞ」
クド「恭介さんは、鷹だと思います!」
佳奈多「・・・鷹?」
クド「はい! 能ある鷹は爪を隠すと言います!」
みゆき「そう言われれば、当てはまらなくも無いですね」
美魚「鷹・・・。鷹・・・。何でしょう、何かイメージが・・・」
佳奈多「はい、次いきましょうかっ」
美魚「・・・今のでせっかくのイメージが飛んでしまいました」
佳奈多「飛ばしたの。井ノ原はどう?」
佐々美「考えるまでもありませんわ」
佳奈多「そう?」
佐々美「ええ。あの人は間違いなく、ゴリラですわ」
みゆき「・・・密林で吼えている井ノ原さん・・・、違和感を感じないです・・・」
クド「さすが井ノ原さん、かっこいいのです!」
美魚「本人は苦情言いそうですが」
佐々美「キングコングだと言えば大丈夫だと思いますわ」
美魚「なるほど」
クド「では、あやさんはどうでしょう?」
美魚「それは直接ここにいる人に聞きましょう」

あや「ちょ、美魚、いつから、って引っ張り出さないで!?」

佳奈多「あや!? あなたいつからそこにいたのよ!?」
あや「あー、佐々美が来るちょっと前くらいから」
クド「全く気づかなかったのです・・・」
みゆき「不覚です・・・」
佐々美「またスパイごっこですの?」
あや「スニーキングミッションと言いなさい」
美魚「というわけで、あやさんは蛇に確定です」
あや「って美魚!? それ動物じゃない爬虫類!!」
美魚「カメレオンのほうがお好みですか?」
あや「それも爬虫類じゃないのー!」
佳奈多「盗み聞きなんてするからよ」
みゆき「美魚さん、女の子を爬虫類に例えるのは少々・・・」
クド「あやさんはウサギさんだと思いますー」
美魚「ウサギ・・・。なるほど」
あや「ウサギって、あれよね。やだ、結構かわいい感じ?」
クド「ウサギさんは、夏と冬で保護色を使い分けるのです。隠れるのが得意なあやさんにぴったりです!」
あや「さすが、くーちゃんはわかってる!」
美魚「あと一匹だと寂しくて死んでしまうそうです」
あや「・・・・・・・・・・・・な、何が言いたいの?」
美魚「ご想像にお任せします」
あや「くっ、何故かしら、喜べなくなったわ」
佳奈多「後残ってるのは、来ヶ谷さんかしら」
みゆき「黒豹ですね」
佐々美「黒女豹ですわね」
佳奈多「ずいぶんあっさりと・・・」
クド「やっぱり来ヶ谷さんはかっこいいのですー」
美魚「まぁ、あの人ですからね・・・」
クド「では、リキはどうでしょう?」
佳奈多「直枝?」
佐々美「あら、直枝さんはまだ考えてなかったのですか?」
みゆき「そういえば、出てませんでしたね」
あや「理樹君かー」
美魚「直枝さんは、猫です」
佳奈多「その心は?」
美魚「泥棒猫」
佐々美「・・・泥棒?」
美魚「参考はル○ン三世です」
みゆき「ああ、直枝さんは大変なものを盗んでいきました、というわけですね」
クド「わふー・・・」
佳奈多「・・・な、何を言うのかと思ったら」
佐々美「そ、そんなわけが」
あや「・・・げげごぼうぉぇっ・・・」
みゆき「ああ、またそんな奇声を・・・」
美魚「実は、馬と迷いました。種馬」
佳奈多「・・・・・・・ぷっ、そっちのほうが言えてるんじゃない?」
クド「わ、わふー・・・、それはあんまりだと思うのです・・・」



理樹「っくしょん!」
真人「どーした理樹? 筋肉がこむらがえったか?」
理樹「いや、それは無いから。でも何かすっごい失礼なこと言われた気がする・・・。後で小毬さん辺りに聞いてみるかな」


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