「すまん、遅くなった」
「気にするな。だが、これで全員が集まった」
 その部屋は照明が落としてあり、かつ暗幕まで吊り下げてあった。
 集まったメンバーは、男女入り乱れて10名前後。
「では、バトルランキング裏実行委員会の、第24回会議を開始する」
 そんな謎な会議の火蓋が、切って落とされた。
「では、皆の者、今回持ってきた物品を見せてみろ。まずは1号からだ」
「はい」
 1号と呼ばれた女子生徒は、返事をして立ち上がると、中央にあるものを置いた。
 彼女が距離を置くと、スポットライトによってそれが照らし出される。
「むっ」
「何!?」
「これは、一体・・・!?」
 そこにあったのは。
 全員がどよめく。
 議長が真意を問いただすように、女子生徒を問いただした。
「だが、これで奴らがどう戦うというんだ?」
「そっと手渡しをします」
「・・・何?」
 委員会の一部がどよめいた。
「そんな、まさか」
「くっ、だが、確かにそんなことをされれば、大ダメージが入るかもしれん・・・!」
「では、この武器を持たせた場合のシミュレートです」



Case:来ヶ谷唯湖VS能美クドリャフカ

「ははははははは!!」
「わふー!?」
 残像殺法から繰り出される、縦横無尽の撮影攻撃!
「うむ、いい写真が取れた。パンチラ写真もあるが見るかね?」
「がーん!? いつ撮られたのですかー!?」
 クドは精神的ダメージも受けた。
 だが、クドは手に持っているそれをぎゅっと握り締め、改めて唯湖に歩み寄る。
「む?」
「くるがやさん」
「何だね?」
 クドは唯湖の手を取って、自分の握っていたそれをそっと握らせて。
「おまちしてます」
 上目遣い。
 何気なく唯湖は握らされたそれを見た。
 手のひらには・・・・・・・・・、鍵。
「・・・・・・」
 数瞬の時間を経て。



「ぶはっ」
 何人かの男子生徒が鼻を抑えてそんな呻き声。
 いや、女子生徒も混じっている。
「い、一発ノックアウトだろ、それ・・・!」
 議長も鼻の下にティッシュを当てつつ。
 女子生徒は恍惚とした表情で、鼻血を垂らしている。
 いろいろ駄目だ。(21)が多すぎる。
 まぁ要するに、この集会。
 投げ入れるくだらない武器を選考している訳である。
 ちなみに、当のリトバスメンバーは全く知らない。
 ついでに言うと、彼らは望んだメンバーに望んだ武器を30%の確率で握らせることができる。
 たいした確率ではないかもしれないが、考えても見てほしい。
 無数に飛び交う武器の中で、自分が投げ入れた武器を三分の一で取らせるのだ。
 ある種異常な能力である。非常に無駄だが。
「私からは以上です」
「うむ、次回の能美クドリャフカのバトル時より実行を許可する」
「了解しました」
 1号、着席。
「よし、2号、行くがいい」
「ういっす」
 横柄な返事と共に、2号が同じように何かを置いた。
 そしてスポットライト。
「・・・何だ、これは」
 箱が置いてある。
「こいつは男の夢っすよ、議長」
「何?」
「では、シミュレートっす」



Case:井ノ原真人VS二木佳奈多
「いっくぜえええええええ!!」
 青髭の悪夢再びというか、そんな状態でなおも気勢を失わない真人。
 佳奈多はため息をつきつつあっさりと避ける。
 しかし、何故か攻撃に移らない。
 躊躇いまくっている。
「どーしたよ、二木。何かやってこねーのか?」
「・・・わかったわよ」
 佳奈多はその箱を抱えて、ゆっくりと真人に歩み寄り、
「はい!」
「は?」
「いいから受け取りなさい!」
「お、おう・・・?」
 受け取って、中身を空ける。
 その箱は・・・、お弁当。



「ツンデレMOEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!」
「ダメだこいつ、早く何とかしないと」
 中央で絶叫を上げた2号に対しての議長のコメント。
「おっと、すんません。けどこれだけでは弱いので、こんなシミュレートもあります」



Case:井ノ原真人VS二木佳奈多・Part2
「いっくぜえええええええ!!」
 青髭の悪夢再びというか、そんな状態でなおも気勢を失わない真人。
 佳奈多はため息をつきつつあっさりと避ける。
 しかし、何故か攻撃に移らない。
 躊躇いまくっている。
「どーしたよ、二木。何かやってこねーのか?」
「・・・わかったわよ」
 佳奈多はその弁当箱を抱えて、ゆっくりと真人に歩み寄り、
「はい!」
「は?」
「いいから受け取りなさい!」
「お、おう・・・?」
 受け取って、中身を空ける。
 その弁当箱は・・・、空っぽだった。



「「「「ちょ、それHIDEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!」」」」
 委員会全員が魂の叫びを上げる。
「な、なんてフェイント・・・、酷すぎるぞそれは・・・!」
「ふっ、実は中学の時の実経験っす・・・っ!」
「お、お前は・・・、お前という男は・・・!!」
「こ、今度お弁当作ってあげるからね・・・!」
「あああ、か、感謝っす・・・っ、姐さん・・・っ!」
 何故か人間ドラマっぽいのが発生中。
「では、俺からは以上っす・・・」
「うむ・・・、強く生きろよ、2号・・・!」
 2号着席。
 再び厳粛な空気が戻ってくる。
「では、3号、行きたまえ」
「了解」
 静かに進み、中央にひとつのものを置く。
「今回のコンセプトは、自爆です」
「ほほう、自爆とな」
「3Dメガネは自爆にしてはインパクトに欠けます。なので、どうせなら思いっきり派手に散ってもらおうと」
「・・・いいだろう。見せたまえ」
 置かれたそれは、ペットボトルだった。
 いや、ただのペットボトルではない。
 中に、何か黒いのがいる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!」
 会場、すべてが戦慄。
「では、シミュレートを」



Case:朱鷺戸あやVS笹瀬川佐々美
 恭介が手を掲げる。
「よし、お前ら、くだらない武器を投げ入れろ!!」
 武器が飛び交う中、女子権限で拾ったものから何か物色し始めるあやと佐々美。
「あ、ありましたわ。やはりわたくしはこれが一番ですわね!」
 最近自分専用武器として確立させたそれ、ゴムボール&プラバットセットを手に取る。
 佐々美のノック攻撃は地味に強い。
「・・・あやさん? どうされました?」
「・・・・・・・・・」
 あやは青くなった顔で佐々美を見た。
「や、あの、あのね、変なの見たら、つい手に取っちゃう癖みたいなのがあるっぽくて・・・」
「は?」
「だから、その・・・、い、いやああああああああああああああああああああ!!」
 あやが珍しく取り乱して、手に持っていたものを投げ出した。
「な、何ですの?」
 投げ出したものを、恐々と見に行く。
 ペットボトル。
 その中には。
 かさかさと動く黒いもの。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?!?!?!?」
 佐々美の全身に鳥肌が浮く。
「い、いやああああああああああああああ、何ですのこれええええええええええええええええええ!!」
 そう、黒い悪魔が、その中で蠢いていた。



「「「いやあああああああああああああ!!!」」」
 パニックになる室内。議長があわてて3号に指示を出す。
「・・・・・・・・・・・・・・・し、しまえ、はやくそれしまえ!!」
「仕方ありません」
 黒い布に包んで、ペットボトルを回収する3号。
「さ、3号、それは却下だ。さすがにやばすぎる」
「残念ですね・・・。面白くなりそうだと思ったのですが」
「だからってお前なぁ!」
「まぁ、とりあえず焼いてきます」
「そうしてくれ・・・」
 3号、退室。
 それでもしばらく騒然としていた室内だが、しばらくしてようやく落ち着いてきた。
「・・・よし、新武器企画はここまでだ。次は成果報告に移る」
「はい」
「7号か。報告しろ」
「わかりました。前回会議で提唱した新武器について、予想を上回る結果が観測されました。VTRを」



Case:宮沢謙吾VS直枝理樹
 この一戦は先日、謙吾が久しぶりに理樹を打ち倒して暫定王者に返り咲いた、そのリベンジマッチだ。
「行くよ、謙吾」
「よかろう、かかってくるがいい」
 佇む二人の間に、緊張が満ちる。
「それじゃあ、みんなお願いします〜!」
 その緊張と裏腹に、立会人の小毬のやわらかボイスが響き渡るが。
 二人の間に武器が投げ込まれてくる。
 それぞれ、空中で武器を掴み取った。
「ふむ、悪くない」
 謙吾が手に取ったのはテニスラケットだ。腕力を生かせる武器だから、決して謙吾に向かない武器ではない。
 対する理樹は。
「・・・・・・・・・ぇ」
 一瞬、ギャラリーに静寂が走った。
 謙吾すら、その組み合わせは拙いと思った。
 理樹は試しにそれで二、三度、自分の左の手のひらを軽く叩いてみる。
「・・・うん、これはいい武器かもしれない」
 いい武器、どころの騒ぎではない。
 謙吾の目には、その武器を手にした理樹の攻撃回数が、酷いことになっているのが何故か見えた。
 理樹の掴み取った武器。
 ハリセン。
 攻撃回数、9−9。
「・・・・・・いや、ちょっと待て」
 かなり絶望的な謙吾の声。
「それじゃー、ふぁいとっ、ですよー!」
 だが無常にも、小毬の手で火蓋は切って落とされた。
「くっ、理樹、一撃で決めるぞ!」
「へ?」
「うおおおおおおおおおおおおおお!!」
 振りかぶったラケットの一撃。だが。
「遅いよ!」
 理樹はハリセンで華麗に受け流し、さらに反撃。
「ぐは!」
 顔面をしばかれて、謙吾がよろめく。
「謙吾、覚悟!!」
「う、うおおおおおおおおおおお!?!?」
 刹那の出来事だった。
 そして静寂。
 何が起こったのか誰一人ろくにわからないまま、ゆっくりと、謙吾が仰向けに倒れた。



 VTRを見ていた委員達は呆然としてる。
「こちら、直枝の攻撃ターンのスローモーションです」
「・・・すげえ、9種の軌道から宮沢の頭だけを狙い打ってるぜ」
「壱、弐、参、肆、伍、陸、漆、捌、玖、の文字が見えた気がする、今の」
 うわ言のような感想がかろうじて口にされた。
「尚、この武器は報告を受けた棗兄によって使用禁止武器とされました」
「だろうな・・・」
 ちなみに、動機としてはただ、どつき漫才をほとんどしない理樹にハリセンを持たせてみよう、程度だったのだが。
「鬼神だ・・・」
「さすが、一部では理鬼と評されるだけあるな・・・」
 好き勝手言っている。
「・・・では、自分の報告はこれで終わりです」
「うむ・・・。しかし、こういうことがあるからこの会議は止められん・・・!」
 議長が何故か感動に震えている。
「次の報告は何だ?」
「じゃ、私がー」
「うむ、11号」
「えーっと、中々隙が無くて難しかったのですが、先日ようやく成功しました。VTRをー」



Case:棗鈴VS棗恭介
 鈴は凍り付いていた。
 正直、単に意地を張っただけだ。
 相手が恭介だから、意地を張って飛び交う武器から掴み取ったのだ。
 女子メンバーの特権、落ちている武器からも拾ってよし。
 その権限を、行使すればよかったのだと、酷く後悔していた。
「・・・・・・鈴、何だそれ」
 恭介ですら、硬直している。
「・・・ボンボン、だっけ?」
「うん。チアリーダーさんたちがよく持ってるね」
 外野に回っている理樹と小毬がご丁寧に解説してくれた。
「あれでどう戦うのかな?」
「・・・応援するとか?」
 理樹のその推測が聞こえたのか、鈴がびくりと震えた。
 すがる様な目で外野の二人を見る。
「・・・・・・・・・」
 理樹はさっと目を逸らした。
「りんちゃーん、ふぁいとっ、ですよ〜」
 小毬は視線の意味に気づかないまま能天気に応援した。
「えーっと・・・」
 恭介は、どうすればいいのか判らないまま。
 とりあえず、風船を膨らませて、置いてみた。
 そして鈴のターン。
「・・・・・・・・・・・・」
 ボンボンを手に、鈴は葛藤している。
 やがて、おもむろに顔を上げると、
「きょーすけ」
「何だ?」
「タイムだ」
「ああ、許可だ」
「あっさり許可した!?」
 外野連中のほうがどよめいた。
「理樹、どうにかしろ」
「ええ、僕!?」
「これでどうやってあの馬鹿兄貴を倒せばいいんだ!?」
 ふさふさしたものを理樹の顔に突きつけて、鈴が叫ぶ。
「だいじょーぶだよ、鈴ちゃんー」
「む、何かいい案があるのか? こまりちゃん」
「鈴ちゃん可愛いから、きっとチアリーダーさんも似合うよー」
 満面の笑みで小毬に言われ、鈴は瞠目すると、
「・・・理樹、理樹だけが頼りだ!」
「が、がーん」
「いやいやいや」
 理樹はとりあえず目の前を埋めているボンボンを下ろさせると、
「とりあえず、やってみれば?」
「な、何をだ?」
「応援」
「にゃ、にゃにい!?」
 鈴、見捨てられて終わる。
「いや、鈴が取っちゃった武器、これだしね・・・。他に思いつかない」
「ううううう・・・、仕方ない・・・」
 呻き声をあげながら、鈴は律儀にバトルフィールドに戻っていった。
「・・・え、やる気なの?」
「鈴ちゃん頑張って〜」
 放棄すると思っていた理樹と、素直に応援する小毬の対照的な声が響く。
「くっ、馬鹿兄貴、一生に一度くらいはやってやるからありがたく思え!」
「あー・・・、おう。とりあえずやってみろ・・・」
 手持ち無沙汰でぼーっとしていた恭介が、とりあえず答えた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふ、ふれー、ふれー、きょーすけー・・・」
 めちゃくちゃ小声だった。
 しかも真っ赤になっていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 恭介は沈黙していた。
 というか、ギャラリー自体沈黙していた。
 やがて、ゆっくりと恭介は鈴に歩み寄ると、
「・・・・・・鈴」
「何だ?」
「・・・・・・・・・よく見せてくれ。俺を倒した妹の顔を」
「にゃ、にゃにぃ?」
「ふっ・・・、我が生涯に、一遍の悔い無し!!」
 何故か拳を高く掲げて、そのまま仰向けに倒れこんだ。
「・・・・・・な、何だ、勝ったのか?」
「鈴ちゃん可愛かったよ〜〜〜〜!!」
 小毬に飛びつかれた。
「・・・な、なんかよくわからんが、勝ったならいいか・・・」



「・・・・・・・・・」
 VTRを見た委員たちは、全員が口元を抑え、画面から目を逸らしている。
「・・・せ、赤面だと・・・?」
「こ、小声で、ふれー、ふれー、って・・・」
「しかもうつむき加減・・・」
「じ、地味に上目遣いだった・・・」
「やばいだろ、この破壊力・・・」
「ちなみに、某Y・Kはこのバトルを見て、鼻血を出して寝込んだそうです」
 11号の報告を受け、委員長は緩んだ顔を必死で引き締めながら、指令を下す。
「・・・・・・11号。このVTRを直ちに永久保存版に加工しろ」
「了解しました!」
 何故か満足げな実行委員たちである。
「ほかに何かないか?」
「はい」
 手を上げた男子生徒。
「うむ、6号。発言を許可する」
「恐縮です」
 うなずいて、六号は立ち上がると。
「では、VTRをご覧ください」



Case:古式みゆきVS神北小毬
「小毬さん、勝負の世界は非常ですので」
「う、うあーん、勝てないかもー・・・」
 向かい合うみゆきと小毬の間に、武器が投げ込まれる。
 女子用ルール、落ちているものから拾ってよい、を利用し、みゆきはこれは、と思ったものを拾い上げた。
「チョーク・・・。コントロールに慣れるにはいい武器ですね」
 こんな最中にも、片目ハンデを完全に克服する為の苦行に挑むみゆきである。
 対する小毬は。
「あ、ノート〜!」
「ええええ!?」
 小毬のメルヘン攻撃は、さすがのみゆきと言えども耐えられない。
 気合を入れなければっ、と思ったその瞬間。
「あれ? 何か書いてあるよ?」
「なら小毬。それを読み上げるのがお前の攻撃だ」
「んー、わかりましたっ」
 あまり読まずに、小毬は頷く。
 それが悲劇の始まりだった。
 恭介の合図が下り、みゆきが先制を取る。
「お覚悟を!」
「ほわぁ!?」
 びゅっ、と空気を切り裂く音と共に、チョークが小毬の頭スレスレを飛んでいく。
「くっ、外しましたか」
「す、すっごい早いよ・・・?」
「すいません、勝負事には手加減ができない性質でして」
 凄くいい笑顔で言うみゆきに、外野の謙吾が身震いした。
「謙吾、おめえ古式の奴に何かやったのかよ?」
「・・・・・・知らんぞ、俺は」
 そんな外野の声も何のその、小毬は「ようしっ」の掛け声と共にノートを開く。
「読みまーすっ。『跳ねても舌が離れないように手で押さえて、ぺろぺろと彼のもの全体に舌を這わせ・・・・・・・・・ってえええええええええ!?!?!?!?!?!」
「な、それってまさか!?!?!?」
 小毬もみゆきも揃って瞬間沸騰。
 というか、その場の全員が何らかの反応を返してしまった。
「ちょ、ちょっと小毬さんそれ貸して!!」
「う、うあああん、理樹君私酷いもの見ちゃったよおおおお・・・」
 泣きついてくる小毬を宥めながら、飛び込んできた理樹が内容を確認して。
「・・・だ、誰だよノートに官能小説なんて書き散らしたの!?」
「理樹君、ぜひ小毬君にそれを朗読していただきたいと思うんだが」
「来ヶ谷さんは黙っててください・・・!」
 何故か敬語の理樹に圧倒され、唯湖、大人しく沈黙。
「あー・・・勝負無効な」
「うあ〜ん、理樹くん〜〜〜」
「大丈夫、もう大丈夫だから・・・」
 小毬を宥めるために放り出したノート。
 それに、とことこと美魚が歩み寄り、ひょいと拾い上げて。
「・・・・・・ぽ」
 気に入ったらしい。



「惜しかったです・・・」
「うむ、惜しかった」
「あのやわらかボイスで朗読してほしかった・・・」
 男子生徒数名がそんなことを言い、女子生徒の痛い視線に晒される。
 が、あまり責める権利も無いだろうが。
「そういえば、西園がノートを拾って行った様だが、その後の行方は?」
「いえ、どうやら完全に彼女の物になったようで」
「そうか・・・。ちなみに、ノートの内容は?」
「・・・・・・く、口に出すのも憚られるほどの腐女子向けです」
 沈黙。
「・・・惜しかったわね」
「ええ、惜しかったわ」
「あのやわらかボイスで朗読してほしかった・・・」
 男女逆転。
 ほんとにいろいろ駄目すぎる。
「西園だったら躊躇無く朗読しただろうなぁ・・・」
「西園さんでは駄目です。彼女は普通に読み上げるだけですから。照れと興味の狭間でたどたどしく読み上げる姿こそが・・・!」
 力説しだした11号。
 全員の視線に晒され、咳払いして着席。
「・・・報告は以上です」
「うむ。これで全てだな」
 全員が頷く。
「では、これにて24回会議を閉会する。皆の今後の妄想に期待する」
「「「「「「はっ」」」」」」
「では、定例句で会議を閉めよう。皆、起立」
 全員が立ち上がり、右手を斜め45度に掲げ。



「「「「「「我らの欲望と妄想の実現のため、バトルランキングに全面的に工作することを、改めてここに誓う!!!」」」」」


「うむ、解散!!」

































































「・・・・・・・・・・・・私、やっばいこと知っちゃったかもなぁ」
 ちなみに、これはA・T嬢が数日後にぼやいた言葉であった。










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